次に今後、定期借地権はどうなるのかを考えてみましょう。
以下の内容を良く理解すれば自ずと答えは出てくるのではないでしょうか?
■100年に一度の大不況がまだ続いている
不動産物件価格
→エリアにより格差が拡大
個人所得
→新型コロナウイルスにより、所得減少
→賃金上昇までには時間要
■デベロッパーの機能不全等
事業用土地取得難
→物件数減、入札方式による高騰
マンション建築費
→大幅上昇により新規供給激減
建設業者が丸抱え
→デベに頼らない方法は?
■高齢社会問題
総人口に対する65歳以上の人口比率
7~14%…高齢化社会
21%~ …超高齢化社会(2007年)
※2025年→28.7%
■少子化問題:少子化傾向は都市部に顕著
合計特殊出生率(1人の女性が一生に何人の子供を産むか?)
1970年…2.13人
2010年…1.39人
2014年…1.43人(微増)
■総務省統計
2005年から人口が減り始めた
2014年12月→1億2,707万人(6年間で▲70万人)
2015年をピークに総世帯数が減り始める
■生産年齢人口の減少
働き盛りの人口が減少
土地・建物の需要減少
→地方から人口は減る
土地所有者側
メリット :先祖代々からの土地を手放さなくて良い。
手元資金が無くても可。
小規模住宅用地または一般住宅用地として固定資産税等の軽減が可能。
建貸し等とは違いリスクが少ない。
期間満了後、立退料不要・原則更地で必ず返還される。
デメリット:借地期間中、自己使用ができない。
賃料(地代)収入が建貸し等と比べて少ない。
長期間は不安?
借地人側
メリット : 資産価値が目減りするであろう土地を購入しなくて済む。
土地購入に係わるローン金利を負担せずに済む。
① 住宅ローンのシステムを知ること ・ 金利 ・ 固定?変動? ・ 元利均等?元金均等?
② ローン完済後の土地は資産?負動産? 土地固定資産税等を負担しなくて良い。
土地購入費の代わりに…
① 美しい街並み創りができる。
② 良質な住宅で且つ広く・グレードをアップできる。
③ 又は取得総額を安価に抑えることができる。
④ 可処分所得が大きくなることで、貯蓄・旅行・学費・投資等に資金を廻すことが可能。
デメリット :借地期間満了時とライフサイクルの問題。
定期借地権用住宅ローンが限られている。
中古市場が整備されていない。
その他
・地価が高いところしか向いていないのでは?
・ 土地購入と借地料との対比
・ 借地料は高いのか?安いのか?
・ 借地はソンか?トクか?
・ 契約期間50年以上となっているが…まだ生きているかも。
・ 何故、定借物件が少ないのか?
・ 土地所有者よりも借地人側の勉強不足が大きい。
・ 分譲マンションの建替えとの比較検討。
特に注意しなければならないのは、これから少子高齢化が進み人口が減るのは地方都市からであると云うことです。
また分譲マンションの建替えについては今後の大きな問題となるのは言うまでもありません。
分譲マンションの寿命は60年とも言われています。
実際に建替えを考慮してマンションを購入する方は少ないと思いますが、定期借地権であれば、建物を解体して更地返還すれば済むことです。
また、事業を展開する事業主は高額な土地を購入することなく、初期投資額を抑えられるメリットもあります。
今後は消費税の再増税によって、建貸しよりも借地の上に自社で建物を建設する方式が多くなると思われます。
現に首都圏近郊では既に大型のロードサイド店舗が事業用借地権を活用し始めています。
今後は地方公共団体等が保有する土地の活用方法としても「定期借地権」は多く活用されていくと思われます。
是非、この期に借地と云うものを見直しては如何かと思います。